球団のあゆみ

1980年代



1950年代1960年代1970年代1980年代1990年代2000年代2010年代
1980年
1月29日~3月11日
第3回ユマ・キャンプ(全員参加)
4月27日
松岡弘投手、対阪神2回戦(神宮)で500試合登板を達成(プロ42人目)
7月10日
松岡弘投手、対阪神11回戦(神宮)で150勝を達成(プロ32人目)
10月11日
ファームが7年ぶり3度目のイースタン・リーグ優勝(最終成績70試合42勝23敗5分、勝率.646)

武上新監督で2位に躍進!
選手、コーチとしてチーム一筋に13年間在籍していた武上四郎を、39歳の若さで新監督に起用。若き指揮官の下、3年連続の米国アリゾナ州ユマキャンプから巻き返しを誓った。中日との開幕戦では、先発・鈴木康二朗から井原慎一朗につなぐリレーで接戦をモノにすると、そこから3連勝。開幕から6試合で5勝1敗と上々の滑り出しを見せた。

4月26日の阪神戦では角富士夫に劇的なサヨナラ2ランが飛び出すと、30日の横浜大洋戦では「サッシー」こと酒井圭一が入団4年目でプロ初勝利を挙げるなど、4月末の時点で単独トップ。5月3日からの広島との首位攻防3連戦に2敗1分けで2位に後退するも、直後に連勝して首位に返り咲くなど、セ・リーグ連覇を狙う広島と激しいつば競り合いを演じた。

ところが5月13日からの対広島3連戦はまたも2敗1分けに終わり、首位の座から陥落。28日に梶間健一の完封で対広島戦の連敗を7で止めると、翌29日の同カードでは22安打の猛攻で18対2と圧勝して溜飲を下げたが、ここで2.5ゲーム差まで迫ったのが精一杯だった。結局、シーズンを通じて広島に7勝15敗4分けと大きく負け越したのが響き、最下位から一気のリーグ優勝はならず。それでも最後まで2位の座を死守し、球団史上5度目のAクラス入りを果たした。

投手陣では梶間がいずれもチームトップの15勝、11完投をマークし、リーグ5位の防御率2.76と大車輪の活躍。前年は2ケタ勝利に届かなかった松岡弘も、7月10日の阪神戦で通算150勝を達成するなど13勝と復活し、防御率2.35で球団3人目(5度目)の最優秀防御率に輝いた。また、鈴木は2年ぶりの2ケタとなる11勝を挙げ、入団3年目の尾花高夫も8勝と健闘。チーム防御率3.17は巨人に次いでリーグ2位だった。

だが、それ以上に威力を発揮したのがともにリーグトップのチーム打率.270、537打点を誇った打線。若松勉は首位打者こそアキレス腱断裂から復活した谷沢健一(中日)に譲ったものの、打率.351で堂々のリーグ2位。杉浦亨は2年連続の20本塁打と自身初の打率3割で初めてベストナインに選出され、打率.301、21本塁打とみごとに甦った大杉勝男とともに強力クリーンアップを形成した。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
広島東洋カープ
130
73
44
13
.624
2
ヤクルトスワローズ
130
68
52
10
.567
6.5
3
読売ジャイアンツ
130
61
60
9
.504
14.0
4
横浜大洋ホエールズ
130
59
62
9
.488
16.0
5
阪神タイガース
130
54
66
10
.450
20.5
6
中日ドラゴンズ
130
45
76
9
.372
30.0

主なラインナップ(監督:武上四郎)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(遊)
パラーゾ
29
.281
15
43
2(三)
角富士夫
24
.251
7
28
3(左)
若松勉
33
.351
15
63
4(一)
大杉勝男
35
.301
21
82
5(右)
杉浦亨
28
.311
20
62
6(中)
スコット
28
.267
16
69
7(捕)
大矢明彦
33
.283
8
50
8(二)
渡辺進
28
.253
11
35
9(投)
※先発投手
八重樫幸雄
29
.212
3
13
水谷新太郎
27
.252
2
16
岩下正明
25
.296
2
18
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
梶間健一
28
33
15-8-0
2.76
松岡弘
33
29
13-6-1
2.35
鈴木康二朗
31
37
11-6-5
2.98
尾花高夫
23
34
8-13-1
3.01
井原慎一朗
28
19
2-3-6
4.65
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀防御率
松岡弘(初)
ベストナイン(捕手)
大矢明彦(2回)
ベストナイン(外野手)
若松勉(8回)
ベストナイン(外野手)
杉浦享(初)
特別賞
ダイヤモンド・グラブ賞(捕手)
大矢明彦(6回)
ダイヤモンド・グラブ賞(外野手)
スコット(2回)
月間MVP(8月度)
大矢明彦
月間MVP(9月度)
松岡弘
月間シルバー賞(4月)
スコット
月間シルバー賞(5月)
梶間健一
月間シルバー賞(6月)
大杉勝男
月間シルバー賞(7月)
杉浦享
月間シルバー賞(8月)
松岡弘
月間シルバー賞(9月)
杉浦享


1981年
1月29日~3月12日
第4回ユマ・キャンプ
3月14日~3月17日
第二次キャンプ(平和台)
4月15日
若松勉外野手、対巨人2回戦(後楽園)で150号本塁打を達成(プロ60人目)
7月15日
大矢明彦捕手、対中日14回戦(神宮)で1,000本安打を達成(プロ120人目)
7月21日
大杉勝男内野手、対中日16回戦(浜松)で2,000本安打を達成(プロ14人目)
7月31日
大杉勝男内野手、対横浜大洋15回戦(神宮)で2,000試合出場を達成(プロ16人目)
9月10日
八重樫幸雄捕手、対中日23回戦(ナゴヤ)で球団創立3,000号本塁打を達成。
9月13日
大杉勝男内野手、対巨人22回戦(後楽園)1,000得点を達成(プロ15人目)
9月24日
渡辺進内野手、対横浜大洋24回戦(横浜)で1試合4二塁打を記録(プロ4人目)

伏兵・青木が盗塁王に!大杉は2000安打達成
1978年の初優勝&日本一に貢献した「赤鬼」マニエルが3年ぶりに復帰。近鉄移籍後は2年連続でパ・リーグ本塁打王に輝き、チームをリーグ連覇に導いていた「優勝請負人」の古巣復帰は、大きな話題となった。

だが、期待された大砲のバットはなかなか火を噴かなかった。マニエルに待望のシーズン1号本塁打が飛び出したのは開幕から15試合目、実に57打席目のこと。この時点ではチームはまだ6勝8敗で4位だったが、翌日から引き分けを挟んで7連敗を喫し、最下位に転落した。

さらに、不動の三番・若松勉が4月22日の広島戦で右肩のじん帯を損傷して戦列を離れると、5月26日の阪神戦ではトップバッターのスコットが左足関節挫傷で離脱。2人の主力打者を失いながらも5月はなんとか勝ち越し、マニエルが6月3日の横浜大洋戦から5試合連続ホームランを打てば、前年まではさしたる実績のなかった青木実が新たなリードオフマンとして躍動するなど、6月も11勝8敗の成績で2位まで浮上した。

しかし、前半戦を4位で折り返すと、広島、阪神と激しい争いを繰り広げていた8月初旬に、今度はマニエルが左脇腹を負傷。それでも8月18日からの6連勝で2位に返り咲き、一時は貯金を5まで増やしたが、これが精一杯だった。勝負どころの9月に大きく負け越し、最後は勝率5割にも届かずBクラスの4位に終わった。

シーズン途中から正中堅手の座をつかんだ青木は、規定打席未満ながら34盗塁で球団史上4人目の盗塁王に。大杉勝男は自己ベストの打率.343でリーグ3位に食い込み、7月21日の中日戦で通算2000安打を達成。自身13度目の20本塁打以上で、通算本塁打では長島茂雄(元巨人)を抜いて歴代5位(当時)となった。若松は負傷のために規定打席到達を逃したものの、日本記録に並ぶ(当時)3本のサヨナラ弾を放つなど勝負強さを発揮し、通算サヨナラ本塁打8本のセ・リーグタイ記録を樹立した。

投手陣では松岡弘が12勝で3年ぶりの勝ち頭になったものの、鈴木康二朗、井原慎一朗はともに2ケタに届かず。前年15勝の梶間健一も6勝にダウンしたが、ルーキーの立野政治は6勝と健闘し、38歳のベテラン神部年男が抑えに回ってリーグ4位の10セーブを挙げたのも光った。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
130
73
48
9
.603
2
広島東洋カープ
130
67
54
9
.554
6.0
3
阪神タイガース
130
67
58
5
.536
8.0
4
ヤクルトスワローズ
130
56
58
16
.491
13.5
5
中日ドラゴンズ
130
58
65
7
.472
16.0
6
横浜大洋ホエールズ
130
42
80
8
.344
31.5

主なラインナップ(監督:武上四郎)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
青木実
27
.266
1
16
2(三)
角富士夫
25
.281
18
46
3(左)
若松勉
34
.291
13
37
4(一)
大杉勝男
36
.343
20
78
5(右)
杉浦享
29
.289
16
61
6(二)
渡辺進
29
.267
16
57
7(捕)
大矢明彦
34
.221
2
23
8(遊)
水谷新太郎
28
.253
4
27
9(投)
※先発投手
八重樫幸雄
30
.171
3
15
渋井敬一
22
.196
2
11
マニエル
37
.260
12
36
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
松岡弘
34
36
12-7-4
3.76
鈴木康二朗
32
33
9-8-0
3.81
井原慎一朗
29
32
9-9-0
4.58
立野政治
26
39
6-5-5
3.84
神部年男
38
32
1-3-10
3.54
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多盗塁
青木実(初)
特別賞
月間シルバー賞(4月)
角富士夫
月間シルバー賞(5月)
大杉勝男
月間シルバー賞(6月)
青木実
月間シルバー賞(7月)
杉浦享
月間シルバー賞(8月)
神部年男
月間シルバー賞(9月)
渡辺進

1982年
1月18日
~2月26日
第5回ユマ・キャンプ
3月1日
~3月4日
第二次キャンプ(平和台)
5月4日
若松勉外野手、対巨人3回戦(神宮)で1,500本安打を達成(プロ43人目)
5月11日
大杉勝男内野手、対横浜大洋6回戦(横浜)で450本塁打を達成(プロ5人目)

新外国人が期待裏切り3年ぶり最下位
前年、不振に終わったマニエル、スコットの両外国人を解雇し、俊足・巧打の触れ込みの外野手ハーローと、ユマ・キャンプで入団テストを受けた内野手のデントンを獲得。ところがこの2人がとんだ誤算だった。

敵地・後楽園で迎えた巨人との開幕戦ではそのハーローが拙守を連発し、9回には松岡弘を投入しながらサヨナラ負け。翌日の第2戦もルーキー宮本賢治の好投むなしく惜敗し、前途多難なスタートとなった。それでもこの年から人工芝に生まれ変わった本拠地・神宮に戻ると、4月6日の広島戦で岩下正明の代打サヨナラ満塁本塁打が飛び出すなど持ち直し、18日には貯金を1とした。

しかし4月25日から5月4日まで8連敗し、8日には最下位に転落。ハーローのバットは湿りっぱなしで、デントンもときおり渡辺進に代わって二塁を守るぐらいで、チームを浮上させるだけの力はなかった。5月に入って2度の5連敗を喫すると、内藤博文二軍監督をヘッドコーチとして一軍に昇格させるなどの打開策を講じたが、上位との差は広がる一方だった。

結局、ハーローはオールスター前に解雇。代わりに獲得したブリッグスは8月6日の広島戦で一気に3本のアーチを架けて期待を抱かせたが、その後はわずか3本を加えたのみ。チームは8月下旬から9月にかけ、リーグ連覇を狙う巨人に2カード連続で勝ち越すなど意地を見せたものの、最後まで最下位脱出はならなかった。

打者では若松勉が打率.310でリーグ6位となったが、外国人が揃って期待を裏切り、20本塁打以上は皆無。大杉勝男は5月11日の横浜大洋戦で史上5人目の通算450本塁打を達成したものの、シーズンでは17本にとどまった。杉浦享は初の全試合出場を果たし、22盗塁と足でもアピールしたが、2年ぶりの3割&20本塁打には届かなかった。

投手陣では、6年目の尾花高夫がチーム唯一の2ケタ勝利を挙げ、リーグ6位の防御率2.60をマーク。松岡も時に抑え、時に先発と起用法が一貫しない中、9勝3セーブと健闘した。ルーキーの宮本も4勝したが、2年目の鈴木正幸は6月9日の阪神戦でプロ初勝利を1安打完封で飾るも、同月18日の横浜大洋戦では再び1安打ピッチングを演じながら0対1で敗れる不運もあり、2勝どまりだった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
中日ドラゴンズ
130
64
47
19
.577
2
読売ジャイアンツ
130
66
50
14
.569
0.5
3
阪神タイガース
130
65
57
8
.533
4.5
4
広島東洋カープ
130
59
58
13
.504
8.0
5
横浜大洋ホエールズ
130
53
65
12
.449
14.5
6
ヤクルトスワローズ
130
45
75
10
.375
23.5

主なラインナップ(監督:武上四郎)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(遊)
水谷新太郎
29
.255
1
21
2(三)
角富士夫
26
.268
13
47
3(左)
若松勉
35
.310
11
38
4(中)
ブリッグス
30
.240
6
24
5(一)
大杉勝男
37
.282
17
59
6(右)
杉浦享
30
.287
14
65
7(二)
渡辺進
30
.211
11
35
8(捕)
大矢明彦
35
.271
1
18
9(投)
※先発投手
八重樫幸雄
31
.183
5
14
渋井敬一
23
.203
1
13
小川淳司
25
.213
3
16
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
尾花高夫
25
42
12-16-4
2.60
松岡弘
35
34
9-13-3
3.32
鈴木康二朗
33
31
7-4-1
4.02
梶間健一
30
43
6-10-2
4.22
宮本賢治
23
36
4-6-1
3.80
  • 年齢は満年齢


表彰選手

特別賞
月間MVP(9月度)
若松勉
月間シルバー賞(4月)
渡辺進
月間シルバー賞(5月)
宮本賢治
月間シルバー賞(6月)
尾花高夫
月間シルバー賞(7月)
八重樫幸雄
月間シルバー賞(8月)
尾花高夫
月間シルバー賞(9月)
水谷新太郎

1983年
1月29日~3月3日
第6回ユマ・キャンプ
4月9日
杉浦享内野手、対阪神1回戦(甲子園)で100号本塁打を達成。
5月18日
松岡弘投手、対阪神5回戦(神宮)で600試合登板を達成(プロ20人目)
5月27日
マルカーノ内野手、対中日6回戦(ナゴヤ)で1,000試合出場を達成。
6月3日
大杉勝男内野手、対中日19回戦(神宮)セ・パ両リーグで1,000本安打を達成(プロ初)
8月4日
大杉勝男内野手、対広島17回戦(広島)4,000塁打を達成(プロ7人目)
8月14日
若松勉外野手、対阪神16回戦(平和台)で1,500試合出場を達成。
8月21日
大杉勝男内野手、対広島20回戦(神宮)で1,500打点を達成(プロ5人目)
9月4日
マルカーノ内野手、対阪神20回戦(札幌)で200号本塁打を達成(プロ42人目)
10月1日
杉浦享内野手、対横浜大洋24回戦(横浜)で1,000試合出場を達成(プロ240人目)

「甲子園のアイドル」荒木入団、大杉は現役を引退
早実高1年夏の準優勝を皮切りに5季連続で甲子園に出場した荒木大輔を、ドラフト1位で巨人と競合の末に獲得。「甲子園のアイドル」の入団は一大フィーバーを巻き起こした。

その一方で、鈴木康二朗、西井哲夫らを放出し、ロッテから抑え投手の倉持明、近鉄からは2ケタ勝利3度の井本隆を獲得するなど、出血を惜しまぬ思い切ったトレードを敢行。さらに元打点王のマルカーノ(前阪急)、代打男として鳴らした萩原康弘(前広島)を加え、投打ともに積極的な補強を施して開幕を迎えた。

敵地・甲子園に乗り込んでの開幕戦は、先発の尾花高夫が阪神打線を1点に封じる快投を演じれば、打っては杉浦享に通算100号となるソロ本塁打、新加入のマルカーノには3ランが飛び出し、4対1で快勝。直後に本拠地・神宮で巨人に3タテされるも、そこから2引き分けを挟んで連勝し、すかさず勝率を5割に戻した。

しかし、その後に再び3連敗を喫し、あとは借金生活に終始。それでも8月半ば過ぎまでは3位争いを演じていたが、8月20日からの4連敗で5位まで後退すると、9月は6位がほぼ定位置に。最後は5位中日と0.5ゲーム差ながら、2年連続の最下位に終わった。

注目の荒木は4月26日の広島戦にリリーフでプロ初登板した後も救援での出番が続いたが、5月19日の阪神戦で待望の初先発。神宮に詰め掛けた4万7000人の大観衆の前で5回を無失点に抑えると、6回からは尾花がロングリリーフでリードを守り、嬉しいプロ初勝利を手にした。だが、このシーズン、荒木が挙げた白星はこれだけ。梶間健一が3年ぶりの2ケタ勝利となる14勝、松岡弘と尾花も揃って11勝を挙げたものの、井本は6勝14敗と大きく負け越し、倉持に至っては0勝3敗0セーブと、移籍組が誤算だった。

打線では若松勉が終盤まで真弓明信(阪神)と首位打者を争うなどリーグ2位の打率.337、移籍のマルカーノはいずれもチームトップの25本塁打、78打点をマーク。八重樫幸雄はプロ14年目にして自己最多の97試合に出場し、16本塁打、45打点と起用に応えた。大杉勝男は6月3日に史上初めてセ・パ両リーグで1000安打を達成したものの、シーズン終了後に引退を発表し、19年間の現役生活に別れを告げた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
130
72
50
8
.590
2
広島東洋カープ
130
65
55
10
.542
6.0
3
横浜大洋ホエールズ
130
61
61
8
.500
11.0
4
阪神タイガース
130
62
63
5
.496
11.5
5
中日ドラゴンズ
130
54
69
7
.439
18.5
6
ヤクルトスワローズ
130
53
69
8
.434
19.0

主なラインナップ(監督:武上四郎)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(遊)
水谷新太郎
30
.267
3
28
2(三)
渡辺進
31
.278
19
45
3(左)
若松勉
36
.337
15
60
4(一)
大杉勝男
38
.261
21
53
5(右)
杉浦享
31
.296
13
62
6(二)
マルカーノ
32
.271
25
78
7(中)
ブリッグス
31
.268
12
44
8(捕)
八重樫幸雄
32
.254
16
45
9(投)
※先発投手
大矢明彦
36
.260
2
20
角富士夫
27
.252
11
30
小川淳司
26
.252
4
13
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
梶間健一
31
43
14-12-3
3.21
尾花高夫
26
41
11-10-6
4.69
松岡弘
36
35
11-14-0
4.09
宮本賢治
24
30
7-8-2
4.48
井本隆
33
27
6-14-0
5.46
  • 年齢は満年齢


表彰選手

特別賞
月間シルバー賞(4月)
マルカーノ
月間シルバー賞(5月)
梶間健一
月間シルバー賞(6月)
松岡弘
月間シルバー賞(8月)
宮本賢治
月間シルバー賞(9月)
尾花高夫


1984年
2月2日~3月1日
第7回ユマ・キャンプ
3月24日
大杉勝男選手引退試合、対巨人オープン戦(神宮)にて実施。
7月27日
大矢明彦捕手、対横浜大洋14回戦(神宮)で1,500試合出場を達成(プロ79人目)
9月22日
松岡弘投手、対横浜大洋20回戦(横浜)で2,000奪三振を達成(プロ11人目)
10月8日
水谷新太郎内野手、対横浜大洋25回戦(神宮)で1,000試合出場を達成(プロ251人目)

相次ぐ監督交代劇の末、最下位から脱出!
4球団の抽選で獲得したドラフト1位の新人、高野光(東海大)がいきなり開幕戦に先発。ルーキーの開幕投手はドラフト制施行後では初とあって、大きな話題を呼んだ。その開幕戦、高野は横浜大洋を相手に4回3失点でマウンドを下りたものの、打線が試合をひっくり返して逆転勝利。翌日も梶間健一、尾花高夫のリレーでモノにして、開幕連勝を飾った。

ところが本拠地・神宮に戻って広島に3タテされると、4月18日の巨人戦からは8連敗で、あっという間に最下位に転落。翌日には武上四郎監督が休養し、中西太ヘッドコーチが代理監督として指揮を執ることになった。しかし、5月5日から引き分けを挟んで再び8連敗を喫し、中西代理監督も辞意を表明。急きょ土橋正幸投手コーチが代理監督代行(のちに代理監督)に立てられた。

この時点で借金16を抱え、5位横浜大洋とも4ゲーム差の最下位。どん底のチームを立て直すべく、土橋代理監督はそれまで救援専門だったサウスポーの大川章を先発で起用し、左の打撃投手・有沢賢持を現役復帰させるなど、投手力の整備に尽力した。6月15日にはその土橋代理監督が正式に監督就任。7月18日から球宴を挟んで3連勝、8月3日からは巨人を3タテするなどシーズン初の5連勝をマークすると、8月27日の広島戦は先発の梶間から尾花、大川とつないで接戦を制し、ついに最下位から脱出した。

この8月は尾花が5勝、高野も4勝を挙げるなど、15勝10敗の快進撃で1982年4月から続いていた月間負け越しを18ヶ月でストップ。その後も5位の座を死守し、3年連続の最下位を免れた。

ルーキーながら開幕投手に抜てきされた高野は、6月まではわずか1勝と苦しみながらも、その後は9勝4敗と復調して2ケタ勝利に到達。尾花は後半戦、11勝2敗3セーブとフル回転し、いずれもチーム最多の14勝&7セーブを記録した。梶間も3年連続の2ケタとなる11勝を挙げたが17敗はリーグ最多。松岡弘は2度の二軍落ちを味わうなど、わずか1勝に終わった。

打っては若松勉がリーグ5位の打率.325と貫禄を示し、マルカーノも阪急時代の1978年以来の打率3割をマークしたが、新外国人のスミスは右ヒジの故障もあって打率.214、5本塁打とまったくの期待はずれ。本塁打は八重樫幸雄の18本が最多で、チーム本塁打101本は横浜大洋と1本差のリーグ5位と、打線はパワー不足に泣いた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
広島東洋カープ
130
75
45
10
.625
2
中日ドラゴンズ
130
73
49
8
.598
3.0
3
読売ジャイアンツ
130
67
54
9
.554
8.5
4
阪神タイガース
130
53
69
8
.434
23.0
5
ヤクルトスワローズ
130
51
71
8
.418
25.0
6
横浜大洋ホエールズ
130
46
77
7
.374
30.5

主なラインナップ(監督:武上四郎→中西太→土橋正幸)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(遊)
水谷新太郎
31
.291
4
33
2(三)
角富士夫
28
.267
11
38
3(左)
若松勉
37
.325
9
50
4(二)
マルカーノ
33
.300
15
77
5(中)
杉浦享
32
.281
8
49
6(捕)
八重樫幸雄
33
.251
18
58
7(一)
渡辺進
32
.281
9
53
8(右)
小川淳司
27
.252
11
35
9(投)
※先発投手
渋井敬一
25
.234
1
11
岩下正明
29
.237
3
24
玄岡正充
22
.293
4
15
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
尾花高夫
27
45
14-8-7
3.45
梶間健一
32
35
12-11-2
3.75
高野光
23
38
10-12-2
4.83
大川章
27
65
5-3-4
3.89
宮本賢治
25
30
4-10-0
6.52
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
ベストナイン(外野手)
若松勉(9回)
特別賞
月間MVP(9月度)
尾花高夫

1985年
1月24日~2月27日
第8回ユマ・キャンプ
3月2日~3月6日
第二次キャンプ(浜松)
4月9日
池山隆寛内野手、オープン戦ルーキー大賞を受賞
4月10日
相馬和夫氏が球団社長に就任。
5月8日
若松勉外野手、対横浜大洋6回戦(横浜)で200号本塁打を達成(プロ45人目)
6月2日
マルカーノ内野手、対広島5回戦(旭川)で通算1,338安打、外国人最多安打をマーク。
6月15日
杉浦享内野手、対中日8回戦(ナゴヤ)で1,000本安打を達成(プロ142人目)
9月11日
杉浦享内野手、対広島23回戦(神宮)で150本塁打を達成(プロ72人目)
10月9日
若松勉選手、対阪神22回戦(甲子園)で2,000本安打を達成(プロ21人目)

投打に新戦力台頭、若松は2000安打達成
土橋正幸監督が初めて開幕から指揮を取ったこのシーズン、チームは序盤から低迷した。前年まで2年連続2ケタ勝利の梶間健一を初めて開幕の先発マウンドに送りながら、中日に2対3で惜敗すると、翌日の引き分けを挟んで開幕5連敗。4月21日の横浜大洋戦で2年目の高野光が完投勝利を挙げてようやくシーズン初白星を手にしたのもつかの間、翌日から再び5連敗を喫するなど、4月は2勝11敗1分けでどっぷりと最下位に沈んでしまった。

5月に入ると、8日の横浜大洋戦で若松勉が通算200号本塁打を放ち、11日の阪神戦ではルーキーの青島健太がセ・リーグ8人目の初打席初本塁打。さらに杉浦亨は打率.380、10本塁打の活躍で月間MVPに輝くなど明るい話題も多かったが、チームの低迷に歯止めはかからなかった。

投手陣のテコ入れのため、5月末には新外国人のビーンを獲得。救援で初登板した6月9日の広島戦で勝利投手になると、23日の同カードでは先発で白星を挙げたものの、右肩痛もあってそれ以上勝ち星を積み重ねることはなかった。チームはその後も好転の兆しを見せることなく、10月16日には本拠地・神宮で阪神にリーグ優勝を決められるなど、2年ぶりの最下位に終わった。

それでも投打に若い力の台頭が目立ったシーズンでもあった。2年前に引退した大杉勝男の背番号8を受け継いだ新人の広沢克己は、いきなりチーム2位の18本塁打を放つなどスラッガーの片鱗を見せつけ、小川淳司は2年連続2ケタの11本塁打をマーク。投げては入団3年目の荒木大輔が、8月9日の巨人戦で江川卓に投げ勝ってプロ初完投勝利を挙げるなど6勝7敗と健闘。その荒木と同期の阿井英二郎も初めて一軍の舞台に上がり、主に中継ぎで44試合に登板と奮闘した。

その一方で、完全に正捕手の座をつかんだ八重樫幸雄がプロ16年目で初の3割打者になり、15年目の杉浦とともにベストナインに選出されるなど、ベテラン勢も気を吐いた。若松は4年連続12度目の打率3割で、10月9日の阪神戦では生え抜きとしては球団史上初の通算2000安打を達成。だが、その若松とは同い年で、長年にわたってエースとしてチームを支えてきた松岡弘は、通算200勝まであと9勝に迫りながら惜しまれつつユニホームを脱いだ。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
阪神タイガース
130
74
49
7
.602
2
広島東洋カープ
130
68
57
5
.544
7.0
3
読売ジャイアンツ
130
61
60
9
.504
12.0
4
横浜大洋ホエールズ
130
57
61
12
.483
14.5
5
中日ドラゴンズ
130
56
61
13
.479
15.0
6
ヤクルトスワローズ
130
46
74
10
.383
26.5

主なラインナップ(監督:土橋正幸)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(遊)
水谷新太郎
32
.263
4
31
2(三)
角富士夫
29
.245
15
54
3(左)
若松勉
38
.300
12
34
4(中)
杉浦享
33
.314
34
81
5(捕)
八重樫幸雄
34
.304
13
68
6(二)
マルカーノ
34
.299
12
51
7(一)
広沢克己
23
.250
18
52
8(右)
小川淳司
28
.239
11
30
9(投)
※先発投手
渡辺進
33
.277
8
34
池山隆寛
20
.141
0
1
岩下正明
30
.316
5
34
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
尾花高夫
28
40
11-8-7
4.39
梶間健一
33
38
11-17-0
4.22
高野光
24
29
7-11-0
4.97
荒木大輔
21
19
6-7-0
4.31
阿井英二郎
21
44
3-5-2
4.29
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
ベストナイン(捕手)
八重樫幸雄(初)
ベストナイン(外野手)
杉浦享(2回)
特別賞
月間MVP(6月度)
杉浦享

1986年
1月27日~2月28日
第9回ユマ・キャンプ
6月3日
渡辺進内野手、対中日8回戦(ナゴヤ)で1,000試合出場を達成(プロ262人目)
6月25日
スワローズは、対横浜大洋11回戦(横浜)に4-2で勝利し、球団通算2,000勝を飾った。
9月5日
若松勉外野手、対広島21回戦(神宮)で1,000得点を達成(プロ20人目)

両外国人の活躍も2年連続最下位に
前年は杉浦享を筆頭に3人の3割打者を輩出した打線に、前横浜大洋のレオン、新外国人のブロハードと2人の大砲が加入。投手陣にも即戦力の呼び声高いドラフト1位ルーキーの伊東昭光が加わり、開幕前は台風の目として期待された。

ところが初の開幕投手に抜てきされた荒木大輔で初戦を落とすと、巨人を相手に開幕3連敗。続く本拠地・神宮での阪神3連戦は勝ち越したものの、直後に5連敗と出足で大きくつまずいた。それでも4月23日からの対巨人2連戦は、初戦で荒木が完封、翌24日はブロハードの2本塁打を含む13安打で大勝と、開幕で3タテを喫した相手に雪辱。これで5位に浮上したが、その後の3カードを立て続けに負け越して再び最下位に転落した。

5月半ばには、4年連続2ケタ勝利を狙う梶間健一が椎間板ヘルニアで離脱。6月10日の横浜大洋戦では若松勉、レオン、ブロハード、広沢克己でセ・リーグタイ記録の4者連続本塁打を達成したが、今度は杉浦が右ヒザ半月板損傷でリタイア。6月25日には節目の球団通算2000勝に到達したものの、投打の主力を欠いたチームは低空飛行を続けた。

光明が見えたのは夏場のことだった。7月4日の中日戦から伊東、阿井英二郎、高野光で3試合連続完投勝利(高野は完封)。球宴明けの25日からは7連勝で最下位から抜け出したが、続く8月3日の横浜大洋戦に敗れて6位に逆戻りすると、その後はほぼ一貫して最下位のままだった。

期待の大きかった打撃陣ではレオンがリーグ4位の打率.319、34本塁打、ブロハードがそのレオンに次ぐチーム2位の21本塁打。特にブロハードは10月7日には優勝争いの渦中にあった巨人に逆転2ランを浴びせ、神宮に詰めかけたファンの溜飲を下げた。3年目の栗山英樹は1番に定着し、規定打席未満ながら打率.301をマーク。池山隆寛も6本塁打、15打点と、高卒3年目にしてプロの水に慣れてきたところを見せたが、大ベテランの若松は自己ワーストの打率.275に終わった。

開幕投手を託された荒木は、打線の援護に恵まれずに苦しみながらも8勝13敗2セーブと奮闘し、ファン投票で初のオールスターにも出場した。高野は自己最多の12勝を挙げ、阿井も前年の3勝から9勝と大きく飛躍したが、ルーキーの伊東は4勝11敗と負けが大きく先行。尾花も8月中旬に9勝目を挙げたのを最後に勝てなくなり、5年連続の2ケタ勝利を逃した。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
広島東洋カープ
130
73
46
11
.613
2
読売ジャイアンツ
130
75
48
7
.610
0.0
3
阪神タイガース
130
60
60
10
.500
13.5
4
横浜大洋ホエールズ
130
56
69
5
.448
20.0
5
中日ドラゴンズ
130
54
67
9
.446
20.0
6
ヤクルトスワローズ
130
49
77
4
.389
27.5

主なラインナップ(監督:土橋正幸)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(右)
栗山英樹
25
.301
4
14
2(二)
水谷新太郎
33
.237
1
15
3(左)
若松勉
39
.275
6
39
4(三)
レオン
34
.319
34
97
5(中)
ブロハード
30
.258
21
64
6(一)
広沢克己
24
.253
16
45
7(捕)
八重樫幸雄
35
.216
6
23
8(遊)
渋井敬一
27
.244
4
25
9(投)
※先発投手
角富士夫
30
.282
6
29
池山隆寛
21
.245
6
15
高仁秀治
24
.284
1
14
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
高野光
25
32
12-11-0
3.10
阿井英二郎
22
43
9-6-1
3.97
尾花高夫
29
34
9-17-1
4.25
荒木大輔
22
32
8-13-2
4.57
伊東昭光
23
34
4-11-0
4.10
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
ベストナイン(三塁手)
レオン(初)
特別賞
月間MVP(7月度)
レオン

1987年
1月29日~2月26日
第10回ユマ・キャンプ
4月26日
角富士夫内野手、対広島2回戦(広島)で通算100号本塁打を達成(プロ148人目)
5月5日~6日
ホーナー内野手、対阪神4回戦(神宮)で初出場、初ホームランを記録。翌日の対阪神5回戦(神宮)では3打席連続ホームランを打ち、“ホーナー旋風”“ホーナー現象”なる流行語が生まれる。
5月16日
レオン内野手、対阪神8回戦(神宮)で250号本塁打を達成(プロ26人目)
6月5日
八重樫幸雄捕手、対中日4回戦(神宮)で1,000試合出場を達成(プロ271人目)
9月11日
角富士夫内野手、対巨人23回戦(神宮)で1,000試合出場を達成(プロ274人目)
9月11日
スワローズは対巨人23回戦(神宮)で主催ゲーム54試合を消化、観客動員数200万人突破(2,039,000人)を記録した。
10月12日
梶間健一投手、対中日25回戦(ナゴヤ)で通算1,000奪三振を達成(プロ75人目)
11月4日~22日
秋季キャンプ(伊東スタジアムと戸田球場)

「ホーナー旋風」で台風の目に
前年限りで辞任した土橋正幸前監督に代わり、元横浜大洋監督の関根潤三新監督が就任。新指揮官の下、阪神との開幕戦を荒木大輔の完投勝利で制すると、続く第2戦も尾花高夫が完投で、いきなりの連勝スタートを飾った。

4月は6勝9敗と負け越したものの、チームの周辺では超大物助っ人の加入が大きな話題となっていた。メジャー歴9年で通算215本塁打を放ち、前年までブレーブスの四番を打っていたバリバリの大リーガー、ホーナーである。それまでに日本でプレーした「大物大リーガー」の中でも、来日時点でまだ29歳と働き盛りのホーナーは別格だった。日本デビューとなった5月5日の阪神戦で名刺代わりの1号本塁打を放つと、翌6日の同カードでは3ホーマーの固め打ち。「本物」を一目見ようというファンで膨れ上がった神宮のスタンドは沸きに沸いた。

来日から4試合で6本塁打を放ち、日本中を「ホーナー旋風」に巻き込んだ助っ人の後押しで、チームは開幕直後を除けば6年ぶりの貯金を記録。6月18日からはレオンの活躍もあって7連勝(1分け挟む)と、混戦模様のセ・リーグの台風の目となった。しかし、7年ぶりのAクラスへの“救世主”として期待されたホーナーは、球宴出場が決まった直後の7月11日巨人戦で腰を痛めて戦線を離脱。1ヶ月弱で復帰し、93試合の出場で31本塁打とハイペースでアーチを量産したが、チームは4位よりも上に浮上することはなかった。

ホーナーばかりがもてはやされた感はあったものの、打線はシーズンを通して活発だった。一番に定着した2年目の荒井幸雄は打率.301で新人王を獲得。前年はケガでシーズンの大半を棒に振った杉浦享が打率.304、24本塁打と復活し、カムバック賞に輝いた。入団4年目で正遊撃手の座をつかんだ池山隆寛は13本塁打を放ち、19本塁打の広沢克己との「イケトラコンビ」で注目を集めた。また、ケガのために長期離脱を強いられた若松勉は、代打に限れば.444の高打率でここ一番の切り札となった。

投手陣では開幕戦を完投勝利で飾った荒木が、5年目で初の2ケタ勝利。2年目の伊東昭光も14勝と一気に勝ち星を増やし、チームの勝ち頭にのし上がった。尾花は2年ぶりに2ケタ勝利を挙げ、高野はシーズン途中から抑えに回ってチーム最多の11セーブ。左腕の矢野和哉は6勝中5勝が広島からという「赤ヘルキラー」ぶりを見せつけた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
2
中日ドラゴンズ
130
68
51
11
.571
8.0
3
広島東洋カープ
130
65
55
10
.542
11.5
4
ヤクルトスワローズ
130
58
64
8
.475
19.5
5
横浜大洋ホエールズ
130
56
68
6
.452
22.5
6
阪神タイガース
130
41
83
6
.331
37.5

主なラインナップ(監督:関根潤三)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
荒井幸雄
23
.301
9
38
2(二)
渋井敬一
28
.198
6
19
3(左)
杉浦享
35
.304
24
73
4(三)
ホーナー
30
.327
31
73
5(一)
レオン
35
.300
22
73
6(右)
広沢克己
25
.284
19
60
7(捕)
八重樫幸雄
36
.280
9
47
8(遊)
池山隆寛
22
.250
13
46
9(投)
※先発投手
角富士夫
31
.217
5
12
小川淳司
30
.240
11
31
若松勉
40
.377
3
16
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
伊東昭光
24
31
14-11-0
4.27
尾花高夫
30
33
11-15-3
3.96
荒木大輔
23
31
10-9-0
5.07
高野光
26
38
7-6-11
4.02
矢野和哉
25
28
6-6-0
5.09
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀新人
荒井幸雄
特別賞
カムバック賞
杉浦享


1988年
1月22日~2月8日
投手陣、ハワイ州マウイ島で初キャンプ。
1月31日~2月26日
第11回ユマ・キャンプ(投手陣は2月9日ユマに合流)
5月19日
尾花高夫投手、対中日7回戦(ナゴヤ)で1,000奪三振を達成(プロ76人目)
7月24日
池山隆寛内野手、オールスター第1戦(西宮)で最優秀選手賞を受賞。
9月8日
杉浦享内野手、対巨人24回戦(神宮)で1,500試合出場を達成(プロ90人目)
9月14日
若松勉外野手、対阪神20回戦(神宮)で2,000試合出場を達成(プロ26人目)
10月2日
杉浦享内野手、対巨人26回戦(東京ドーム)で200号本塁打を達成(プロ56人目)

長島ジュニア入団、抑えの伊東が最多勝獲得
前年、旋風を巻き起こしたホーナーは1年限りで退団し、メジャーに復帰。代わりに新たな“目玉”として注目を集めたのが、横浜大洋との競合の末にドラフト1位で獲得した長島一茂だった。父・長島茂雄(元巨人)と同じくサードを守り、背番号も父と同じ3番を与えられた「ジュニア」の動向は、キャンプから大いに注目された。

しかし、完成したばかりの敵地・東京ドームで迎えた巨人との開幕戦のスタメンに、長島の名前はなかった。この試合に四番・三塁で出場したのは新外国人のデシンセイ。メジャー通算237本塁打の助っ人が初打席で「東京ドーム第1号」を放つと、チームは尾花高夫から伊東昭光につなぐ必勝リレーで、前年のリーグ覇者を相手に金星をつかんだ。

開幕から9試合で5本塁打のデシンセイの向こうを張るように、アーチを連発したのが前年から正遊撃手に定着した池山隆寛だった。4月19日の横浜大洋戦を皮切りに、4月30日の阪神戦までの9試合で7ホーマー。その活躍に刺激されたかのように、池山と同学年の長島にも4月27日の巨人戦で、待望のプロ初安打となる本塁打が飛び出した。

6月15日の巨人戦、18日の広島戦ではデシンセイが史上初の2試合連続逆転サヨナラ本塁打を放ち、チームはそこから6月23日の阪神戦まで6連勝。これで勝率を5割に戻すと、7月7日には池山、広沢克己、デシンセイのアーチ揃い踏みで3位に躍進した。しかし、7月は大きく負け越し、19日からの7連敗で最下位に転落。その後は4位まで巻き返しながら、最後に息切れして5位に終わったものの、8年ぶりに巨人に勝ち越したのが光った。

池山と広沢の「イケトラ」コンビは三振こそ多かったものの、揃って30本塁打をクリアし、ともに初のベストナインを受賞。シーズン途中までアーチを量産したデシンセイは、椎間板ヘルニア手術のために8月下旬に帰国し、期待された長島は88試合の出場で打率.203、4本塁打にとどまった。その一方で、5年目の栗山英樹は規定打席未満ながら自己最多の112安打を放つなど、打率.331と大きく飛躍した。

投手陣では抑えに回った伊東がオール救援で18勝を挙げ、金田正一に次いで球団史上2人目の最多勝を獲得。尾花は防御率リーグ7位ながら、勝ち運に見放されて9勝16敗と大きく負け越した。前年は初の2ケタ勝利をマークした荒木大輔が、右ヒジ痛のためにシーズン途中でリタイアしたのも誤算だった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
中日ドラゴンズ
130
79
46
5
.632
2
読売ジャイアンツ
130
68
59
3
.535
12.0
3
広島東洋カープ
130
65
62
3
.512
15.0
4
横浜大洋ホエールズ
130
59
67
4
.468
20.5
5
ヤクルトスワローズ
130
58
69
3
.457
22.0
6
阪神タイガース
130
51
77
2
.398
29.5

主なラインナップ(監督:関根潤三)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(左)
荒井幸雄
24
.266
6
25
2(中)
栗山英樹
27
.331
0
17
3(遊)
池山隆寛
23
.254
31
81
4(右)
広沢克己
26
.288
30
80
5(一)
杉浦享
36
.255
20
53
6(三)
デシンセイ
38
.244
19
44
7(捕)
秦真司
26
.251
7
29
8(二)
渋井敬一
29
.206
2
8
9(投)
※先発投手
角富士夫
32
.230
6
23
長島一茂
22
.203
4
22
小川淳司
31
.290
8
24
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
伊東昭光
25
55
18-9-17
3.15
尾花高夫
31
31
9-16-0
2.87
ギブソン
31
23
7-11-0
4.87
高野光
27
21
7-7-0
3.41
中本茂樹
31
42
5-7-0
3.60
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多勝利
伊東昭光(初)
ベストナイン(遊撃手)
池山隆寛(初)
ベストナイン(外野手)
広沢克己(初)


1989年
1月31日~3月4日
第12回ユマ・キャンプ(投手陣ハワイ州マウイ島)
2月1日~2月28日
宮崎県西都市でファーム・キャンプ
4月4日
笘篠賢治内野手、オープン戦ルーキー大賞を受賞。
5月5日
尾花高夫投手、対中日4回戦(ナゴヤ)で通算100勝を達成(プロ98人目)
7月13日
オールスター・ファン投票で池山隆寛内野手は131,037票の両リーグ最多票数で選ばれる。
8月30日
角富士夫内野手、対広島23回戦(広島)で通算1,000本安打を達成(プロ158人目)
9月27日
広沢克己外野手、対中日22回戦(神宮)で通算100号本塁打を達成(プロ156人目)
11月5日~23日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

新外国人パリッシュが本塁打王、若松は涙の引退
進境著しい池山隆寛、広沢克己の「イケトラ」コンビにメジャー通算256本塁打の新外国人パリッシュが加わり、打線は充実。課題と見られていた投手陣にも、巨人との抽選に勝ってドラフト1位で獲得した川崎憲次郎、米国ユマ・キャンプでのテストを経て入団した抑え候補のアイケルバーガーといった新戦力が加入した。

しかし、そのアイケルバーガーにいきなり期待を裏切られることになる。巨人との開幕戦を落とし、迎えた翌日の第2戦。3対3の同点で9回のマウンドに上がると、野選を挟んで2つの四球で無死満塁のピンチを招き、最後は暴投でサヨナラ負け。舞台を本拠地・神宮に移した中日戦も、3番手で登板して勝ち越しを許し、チームは開幕3連敗となった。中日との第2、第3戦は中本茂樹、尾花高夫の連続完投勝利でモノにして借金を1まで減らしたものの、続く横浜大洋3連戦には負け越し。その後は5連敗を喫し、勝率5割はどんどん遠のいていった。

それでも自慢の打線は活発だった。4月だけで池山が7本のアーチを架けると、パリッシュも負けじと6ホーマー。その勢いは5月に入っても衰えず、パリッシュは1ヶ月で11本と量産して月間MVPを獲得した。池山も5月5日の中日戦で2本塁打を放って尾花の球団史上4人目となる通算100勝に花を添えるなど、月間5本を加えたが、パリッシュのペースには追いつかなかった。結局、パリッシュはライバルのフィルダー(阪神)の離脱もあり、シーズン42本塁打で球団では1957年の佐藤孝夫以来の本塁打王に輝いた。

池山も自己最多の34本塁打を放ち、2年連続のベストナイン。オールスターファン投票では両リーグ最多票を獲得するなど、一躍球界を代表する存在となった。広沢は17本塁打で、パリッシュ、池山と合わせて93本塁打は横浜大洋のチーム本塁打76本を軽く凌駕。三振は3人で計395個と多かったが、ホームランか三振かという豪快なフルスイングにファンは酔いしれた。

さらにルーキーの笘篠賢治はタイトルこそ逃したものの、リーグ2位タイの32盗塁で球団史上5人目の新人王を受賞。その一方で2度の首位打者に輝き、初優勝の1978年にはMVPも獲得した「ミスター・スワローズ」若松勉が、プロ野球歴代2位の通算打率.319を置き土産に、涙ながらに19年間の現役生活にピリオドを打った。

投手陣では高卒3年目の「ギャオス」こと内藤尚行が、先発に抑えに41試合に投げ、いずれもチームトップの12勝&8セーブ。尾花も2年ぶり6度目の2ケタとなる11勝を挙げた。また川崎は9月2日の巨人戦でプロ初勝利、9月24日の同カードでは初完投勝利を完封で飾るなど、高卒新人ながら4勝をマークした。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
130
84
44
2
.656
2
広島東洋カープ
130
73
51
6
.589
9.0
3
中日ドラゴンズ
130
68
59
3
.535
15.5
4
ヤクルトスワローズ
130
55
72
3
.433
28.5
5
阪神タイガース
130
54
75
1
.419
30.5
6
横浜大洋ホエールズ
130
47
80
3
.370
36.5

主なラインナップ(監督:関根潤三)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(二)
笘篠賢治
23
.263
5
27
2(中)
栗山英樹
28
.255
2
26
3(左)
荒井幸雄
25
.272
4
38
4(一)
パリッシュ
36
.268
42
103
5(右)
広沢克己
27
.270
17
59
6(遊)
池山隆寛
24
.264
34
74
7(三)
角富士夫
33
.266
5
32
8(捕)
秦真司
27
.290
8
28
9(投)
※先発投手
中西親志
29
.178
1
12
長島一茂
23
.250
4
15
杉浦享
37
.274
6
22
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
内藤尚行
21
41
12-5-8
2.82
尾花高夫
32
27
11-8-0
4.40
加藤博人
20
31
6-9-1
2.83
矢野和哉
27
22
5-9-0
3.21
中本茂樹
32
22
5-6-1
4.40
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀新人
笘篠賢治
最多本塁打
パリッシュ
ベストナイン(遊撃手)
池山隆寛(2回)
ベストナイン(一塁手)
パリッシュ(初)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
栗山英樹(初)
月間MVP(5月度・野手部門)
パリッシュ
月間MVP(9月度・野手部門)
パリッシュ
  • ダイヤモンド・グラブ賞は、1986年から三井ゴールデン・グラブ賞と呼称変更
  • 月間MVPは、1989年から投手・野手部門個別表彰に変更